収益物件 箕面 大阪 収益 不動産 相続税対策

積算評価方法を理解する

積算評価はほとんどの銀行が物件の評価に利用しているものです。
土地と建物についてそれぞれ計算し、合計します。

土地は、相続税路線価に面積をかけたものです。
建物は再調達価格(同様の不動産を再び購入すると仮定した場合に必要な原価)
から耐用年数分の償却額(建物の劣化分)を引いて計算したものになります。


建物の評価額は銀行によって多少違いますが、
再調達価格を「構造別の建築単価」×「面積」で計算します。
建築単価はだいたい、
木造13~15万円/㎡ 鉄骨造17~19万円/㎡ RC造19~20万円/㎡です。

例えば木造100㎡で築5年の建物ですと、木造の耐用年数は22年ですので、
13万円 × 100 ×(22 - 5)/ 22 = 1,005万円となります。
実際はこれよりも建築費がかかることが多く、銀行の評価方法はかなり厳しいものといえます。

それでは、この積算評価額がどのように使われているかを図2で説明します。
物件1は物件の販売価格に対して、積算評価額が上回っている状態を示したものです。
逆に物件2は物件の販売価格に対し、積算評価額が下回っているものです。
ここではわかりやすく単純化して説明するために、
物件価格≒融資希望額、積算評価額≒融資可能額とします。

物件1を購入する場合は、物件価格(融資希望額)<積算評価額(融資可能額)のため、
安全と判断され、融資が実行されます。一方、物件2を購入する場合は、
物件価格(融資希望額)>積算評価額(融資可能額)のため、銀行からは資産より
負債の方が大きいため借り過ぎと判断され、不足分を現金で用意するか、
もしくは別の担保を提供しないと積算評価額以上の融資を受けることはできません。

さて、ここからは応用です。物件1と2のいずれかを購入した後、もう一方の物件を
買い増したい場合、どちらを先に購入すべきでしょうか?

物件1を先に購入すれば、図の斜線部分の資産価値分だけ担保余力が生まれ、
物件2を購入するときにその余力分があるため、物件2も購入することができます。

しかし、物件2を先に購入した場合は、銀行の評価が積算評価方法で行われている
以上、運よく融資を受けられたとしても返済が進んで借入額が積算評価額を下回ら
ない限り、次の融資を受けることができません。そのため、全額融資を受けて
積算評価額以下の建物を購入するか、頭金をいれて積算評価額まで融資を受けるか
のどちらかになります。

ただ、これはあくまでも銀行の評価方法であって、積算価値の高いものがいい物件
ではないところが難しいところです。積算評価額が実際の物件価格よりも高い物件と
いうのは地方の広い土地に建つRC造のマンションとなり、都心部の一等地に建つ
物件はほとんどの場合は積算評価額より大幅に高い価格になっています。

収益還元評価方法を理解する

収益還元評価方法はその土地・建物が生み出す収益から考える価値です。
こちらも多くの銀行が利用していて、特に都心部などでは積算評価額と実勢の価格が
大幅に乖離しているため、実際とかけ離れた評価とならないよう収益還元評価方法が
導入されています。

個人的には、国が決めた相続税路線価を利用する積算評価方法より、その土地や
建物が生み出す収益から評価する収益還元評価の方が適正な方法だと思っています。

収益還元評価の計算式は
不動産の収益還元価格 =(年収益-経費)÷ 還元利回り
です。
例えば、
  年間の収益 500万円
  年間の経費 100万円
(維持管理費・修繕費・公租公課・損害保険料・空室等損失相当額等)
の物件があるとします。
利回りの期待値を還元利回りとして計算すると、物件の価値がわかるということです。
利回り7%を期待値とすると(500万円-100万円)÷ 0.07 = 5,714万円
利回り8%を期待値とすると(500万円-100万円)÷ 0.08 = 5,000万円
となります。

積算評価方法と収益還元評価方法のどちらを評価基準に使うかは各銀行の
考え方次第ですが、積算評価額でのみ評価する銀行と収益還元価格でのみ評価する
銀行、それぞれを一定の割合で組み合わせて評価する銀行など、各銀行によって
評価方法が違いますので、いくつかの銀行に対して融資依頼をすべきだと思います。

何度も複数の銀行に融資相談を持ち込んだり、銀行員に直接訪ねたりすることで、
各銀行の評価方法がわかってくるようになって来ると思います。

① 積算評価法
② 収益還元法
③ 取引事例法

不動産投資 TOP >>